税務上の規定について
Q 弊社は第二自社工場を関連会社に賃貸する予定ですが日本の固定資産税に当たるものがあるのでしょうか?
A 地方税の一つとして、土地家屋税があります。毎年1回、地域開発税法か、または建物土地税法のいずれかの規定により課税されるものです。所有者の住居用、家畜飼育や耕作用の土地は対象外で、基本想定賃貸料の12.5%で算出されますが、実際の賃貸料ではなく税務官が見積もる想定額を基準にすることが多くなっています。これが現行の土地家屋税と云われるものです。土地家屋税は当然のことながら所有者が負う納税義務なのですが、賃貸契約書上において賃借側に税負担をさせる旨規定するケースが非常に多くなっています。

また、現政権で導入を決定した相続税と同様に、新たな固定資産税の原則が決定されたと数か月前に報じられました。報道によれば、こちらは評価額(政府土地局による)に対し住宅に対し1%以下、耕作地では0.5%以下、商業施設に対し4%以下、という案になっています。ただし当地の習慣で、法案の決定後に紆余曲折がだらだらと続くことが普通なので、今後の推移を見守る必要があります。

Q 弊社では親会社の取引銀行が信用状を発行し、その保証をベースに現地法人が銀行融資を受ける、所謂スタンドバイクレジットを組みました。その銀行保証料の支払い手順をご教示いただけますでしょうか?支払のエビデンスは保証を行った銀行から親会社宛ての計算書のみです。

A これはタイの税法と日タイ租税条約も絡んで、判断が難しいケースです。
先ず、租税条約11条において、当保証料が利息とは全く別の扱いであれば支払時に源泉徴収の必要がありません。利息と同様の扱いであれば源泉徴収義務が生じます。これは日本に於いては別扱いであり、タイに於いては利息と同様に扱われます。源泉徴収義務が問われるのはタイ側ですから、先ずここは実務上源泉徴収を行った方が安全である、といえます。
また同条に於いて源泉徴収率が規定されており、銀行に対する利息支払いに対しては10%、それ以外のケースでは25%となっています。当案件の場合、受け取るのは銀行ですが、現地法人が支払う先は銀行ではなく親会社です。

さてここも考えどころですが、厳密には銀行宛の支払いではない、しかし同条約の目的は二重課税防止であり、タイ国税法の規定、海外への一般的な利益送金(利息を含む)に対する源泉徴収率15%を超え、25%の源泉徴収を行うことは同条約の主旨から逸脱すると判断し、15%の源泉徴収が妥当と考えます。
先ずは親会社からDEBIT NOTEを発行し現地法人への請求を立ててください。