1 製造原価計算上の仕掛品評価について
Q ライン立ち上げが完了し、近々試作から量産へ移行する予定ですが、原価計算の為の管理項目を定めるに当たり、各工程の仕掛品評価の原則や実際の運用についてご教示ください。
A まず製造工程およびそれぞれにおける労働力、所要時間をインタビューさせていただき、全工程中における比重を検討、予測します。その想定を元に請払いから出荷にいたるまでの原価を按分します。工場側はこの打ち合わせに基づいた各管理項目のデータ作成を行い、我々は約6か月間の製造原価計算書→損益計算書の数値を分析し、不自然な損益のばらつきがあれば想定した工程ごとの比重に修正を加えることで実態に即した原価計算を確立します。

2 会計年度中の中間申告について
Q 当地では、期中の6か月を超えた時点での法人税申告があるとききましたが、どのようなシステムなのでしょうか?
A これは、確定申告書の様式(P.N.D.50、ポーゴードー50)に対しP.N.D.51(ポーゴードー51)と称されるもので、通常弊社では「予定納税」と呼んでいます。まず会計年度上期6か月間の損益実績を元に下期損益を予測し、その結果当会計年度において法人所得税が発生する場合には半期分を前納するという法人の義務です。申告期限は会計年度期首から8か月目の月末となります。少々やっかいなのは、年次決算において予測した損益よりも25%以上利益が上回った場合、その25%を超える部分に対し20%の罰則金および本来予定納税申告時に支払うべきであったものと見做し延滞金(1.5% x 通常9か月分)を課すというシステムです。
 ただし上記の罰則金・延滞金について、①税務調査による発覚ではなく確定申告時自主的にこの過少申告分を加味し申告するのであれば罰則金は免れる②さらに、前会計年度の申告数値と比較し、それを上回る利益が生ずるものとして申告した場合には延滞金も免れる、という緩和措置があるので、それぞれを考慮した上で正しい申告を行う限りにおいては、大したリスクではないとも云えます。

1 配当について

Q 2014会計年度にて適正な利益を計上しましたので、配当を考えておりますが、手順についてご教示ください。
A 通常、前会計年度の決算・会計監査が完了する時点にて配当を決定し、「2014年度の余剰金につき1株XXXXバーツの配当を行う」旨を株主総会で決議を行い、2015年度にて計上します。もちろんこれは任意ですので、確定申告以前であれば前期に遡って計上することもできます。
 手続きについては、先ず当期純利益の最低5%を、登録資本金の10%に達するまで法定引当金として計上し(当引当金は配当に供することが禁じられる)、普通株主であれば、当然均等に配当を行います。支払の際はタイ居住者・非居住者に関わらず一律10%の源泉徴収分を差し引かなければなりません。