前回ご紹介したカンボジア視察記録の続きである。「NPO法人 日本カンボジア交流協会」山田理事長ご一行の視察に便乗して参加という、この交流協会の職業訓練センター、日系人材派遣の「プロキャスト」様の視察、労働省でのイッサムヘン労働大臣との会談と、これらは独自では実現し得ない、充実の視察内容となった。

20年近くある交流協会の活動の歴史は、ハンディキャッパーを含めたカンボジアの地方の若者を主にしたのに対し、バイク修理、またテレビ・ラジオ修理、そして女性には縫製技術を身につけさせ、研修後、若者が田舎に帰って自活可能にすべく、地道に援助活動を継続されておられ、それと同時に日本語の教育も行っている。現金収入の乏しいローカルでは、目立ってバイクや家電は中古品を手入れ補修しながら何年も使うのが普通であるため、修理屋さんは大きな需要があるのだという。新しく立派に建てられた研修棟、宿泊棟、食堂がカンボジア政府提供による敷地にあり、ここで若者は活き活きと研修を受けながら毎日を送っている。2013年にはこの活動のため、「クメール金勲章」を叙勲されている。

1 2

また、「プロキャスト・カンボジア」さんの研修施設「プロキャスト・ランゲージ・センター」にもお伺いした。1995年より上記交流協会と共に支援活動を続け、「外国人技能実習生」として職業訓練を終了した若者を日本へ送り出す事業に2007年から取り組んでおられている。能力別に3段階に分けられた教室で、熱のこもった日本人専任講師による授業が行われている。教室に我々がお邪魔すると、たいへん大きな声で全員が「コンニチワ」と挨拶をしてくれ、この若い国の熱が伝わってくる。思い切った投資に感心させられたのは、宿泊設備も含めあまりにも立派な設備であった。

3 4

今回、カンボジアに関わっている日本人の多くの方々にお会いし、お話をさせていただいた皆さんに一様にしていえるのは、このカンボジアという国、そして人々への熱い思いだ。私も前回単独視察の時から感じていた彼らの前向きで、真面目でひたむきなところなのだろう。すべてを言い表している気がするのは、ご一緒させていただいたメンバーの方々の「とにかく、全員がい~い人なんだ」という言葉である。