1 周辺国との取引における外国税控除について(国際税務)
Q 現在、タイの周辺諸国との商談を進めておりますが、業務の性質上これらの国から支払いを受ける際に15~20%という高率の源泉徴収が義務となっているらしく、当社としてこの源泉分を外国税控除に使用するためにはどの様な書類が必要でしょうか?取引先からは、通常発行している現地語記載の源泉徴収票とその英訳があれば良いのではという回答を受けています。
A 歳入省の規定では、下記の条件を満たす、源泉徴収国の公的機関が発行した納税証明書の添付が求められています。
• タイ語または英語で記載された文書であること。
• サービスの対価および源泉徴収額、支払期日(源泉徴収期日)が記載されていること。
• 源泉徴収者である法人名、署名、社印押印がされていること。 
ここで求められているのは源泉徴収国で納税が成されたという公文書ですので、法人が発行した源泉徴収票は、単に支払者が源泉徴収をしたという証明にしかなりませんので無効です。
 ご参考までに、タイの法人が源泉徴収者であるケースでは、納税後管轄税務署に対しR.O.(ロー・オー)という納税証明を申請し、これを支払先に送付することになっています。

2 収益の無い費用の計上
Q 顧客に対し、金銭の請求ができないコストが発生してしまったのですが、この費用計上は可能でしょうか?
A 税務署は基本的に、利益の生じない原価や費用の業務関連性を認めておらず、これを単純に費用計上しては後日損金否認をされる可能性があります。
 したがってこの様なケースでは、顧客からのクレーム・レター等を作成・保管し調査に備えておくべきかと思います。

1 現地法人代表役員人件費の現地負担について
Q 現地法人代表役員の人件費について、これまで非常勤ということで済ませていたのですが、この程管轄税務署より「現地法人に応分の負担をさせるべき」との指摘がありました。現地で給与計上をするには労働許可証が必要であり、またそれは資本金や被雇用者数の条件が満たされない為現状では不可能です。良い方法はありませんでしょうか?
A 管轄税務署側としては、月々の給与計上を求めているのでしょうか?そうでないのであれば年1回の役員報酬を計上すれば良いと考えます。但し役員報酬を費用計上後、適正利益が確保されていなければ後々の税務調査で損金否認される可能性があります。具体的な基準は定められていませんが、一般的に役員報酬の合計が純利益の20%以下であれば問題なかろう、と言われています。当地の税務上、役員報酬は税引前費用として計上できるので更にメリットがあります。