追徴税にについて
Q 弊社は数年前に現地企業を買収し営業をしておりますが、つい最近管轄税務署より買収以前の税務申告について多額の追徴を受けております。弊社としましては、当然のことながら当時の会計処理や税務申告に関わっておりませんので、まったく寝耳に水です。この様なケースでは、実際に当時経営していた主体ではなく買収した弊社が追徴を受けることになるのでしょうか?

A これは日本においても同様ですが、法人格を引き継いだ存続会社が租税債務も引き継ぐ、というのが前提です。困難でしょうが、この債務を免れるには、相手を捕捉できるのであれば御社が買収前の経営側に対し損害賠償請求をするしかないでしょう。もちろん当時の証憑類を洗い直して抗弁の根拠を割り出すことも必要かと思います。

社会保険料の算出について
Q つい最近採用した社員から、弊社の社会保険料が転職前の金額よりも高いとの指摘がありました。算出ルールの基本についてご教示ください。

A 現在、社会保険料は被雇用者の所得月額の5%、それに加え法人から同額を納める決まりになっています。この算出基準がよく話題になるのですが、別に難しいことではなく「基本給および固定手当の5%」です。固定手当は文字通り、残業代など変動する手当を含まぬ毎月固定額で支払われる手当です。

貸し倒れについて
Q 部下からの報告で、弊社顧客の内1社が支払いを滞らせたまま廃業するらしいと聞きました。当地ではどの様な回収手段があるのでしょうか?

A 戸籍制度が無いこともあり、まず逃げた相手を捕捉することは適いません。もし捕捉できるのなら、という前提ですが、1枚50,000バーツ以上の額面で先付け小切手を発行させることができれば、回収の可能性は高くなります。小切手を入手し決済期限を迎えても現金化できない場合、インボイス等のエビデンスを取り揃え、管轄警察署の商業事件課に訴えます。警察は取引銀行に対し適法に振り出された小切手である旨を確認し、署名者に召喚状を送付します。署名者が出頭しない場合には逮捕しますので、いずれにしても警察署に於いて警察官立会いの下に示談交渉を行うことができます。示談が決裂すれば即時収監されますので、先ず間違いなく示談は成立するはずです。大抵は逮捕を恐れ本人が金銭を工面し進んで支払いを実行します。
 ただし、一般商行為の債務期限は2年間ですので、この期限を超えぬ様配慮する必要があります。

会計年度の登録や変更について
Q 現在、現地法人の登記を行っている最中なのですが、登記上で会計年度を取り決め記載する義務はあるのでしょうか?また将来事情が変わり、会計年度を変更することは自由なのでしょうか?

A 法人登記上、任意の会計年度を記載することもでき、また指定しなければ登記完了期日(つまり創業日)より1年以内に決算・会計監査・確定申告を行えば、翌年以降もその期間が会計年度となります。1年を超えての決算はできません。
 また年度変更の際ですが、これは管轄税務署の許認可事項ですので、時間的に余裕を持って書面により申請します。回答までには通常2~3か月かかりますので、少なくとも締日の3か月以上前には申請してください。